山里ぽん太

Cloth Struggle

04 November 2018

山里ぽん太は布で苦労しました。


Chapter 1 はじめての布
Houdini の布ソルバを初めて使ったのは9月でした。
丸テーブルに、布を、ふわりと掛ける、という、シンプルなものでしたが、それなりに描けました。
ここでは、布ソルバと、「Static Object」ノードと、「Static Solver」ノードの使い方を勉強しました。

Chapter 2 布を引っ張る
丸テーブルに布を掛ける、という絵では、布は、フリーで、自由落下しています。
そうではなく、人の手で、布を引っ張る、という絵はどうすればよいでしょうか?。
というわけで、ここでは、コンストレイントの勉強をしました。
テーブルに置かれた細長い布の、一方の端を手で持って、折り返すような動きをつけたものがこれです。布のメッシュが粗くて、紙のような質感になっています。

いろいろやっていて、布とテーブルとの摩擦が大きいと、布が切れてしまったりして、うまくできないことがわかって、いろいろ調整していました。
なんとか、できたのがこれでした。

いずれも、パッケージにリボンをかける、というような絵をイメージしています。
Chapter 3 布を絞る その1
次に、布を絞ってみました。
テーブルの上に布を置いて、両側から、ピンを寄せて絞る、という絵です。
布がテーブルの上を滑って、中央に絞ってほしいところが、端のほうに偏ってしまいました。
さらには、きれいには絞れませんでした。

テーブルの上ではうまくできないようなので、片側を固定して、ぶら下げて、宙吊りにして、試してみました。
うまくできました。
でも、下半分が、少し回転しました。

布の上端と下端を固定して試してみました。
きれいにできました。

いずれも、リボンを絞るイメージです。
Chapter 4 布を絞る その2
コンストレイントではなくて、両端に Static Object を置いて、コリジョンで固定してみました。
良い結果は得られませんでした。

加工装置を非表示にしたものです。

Cotton で試したものです。

Chiffon で試したものです。

Silk で試したものです。

Chapter 5 布を絞る その3
翌日、両端固定で試したものです。
この方法がいちばんきれいに仕上がるみたいです。

Chapter 6 てるてる坊主
10月10日に思い立って、てるてる坊主を作ってみました。
この動画は、600コマですが、シミュレーションに1コマ4〜5分かかって、全部で、およそ24時間かかりました。
その結果がこれでした。

10月11日に、リリースされたばかりの Houdini 17.0 をインストールしました。
さっそく、Vellum Solver で試してみました。
まず、Vellum Solver のシミュレーションが早いことに驚きました。600コマのシミュレーションが、わずか10数分でできました。
しかも、その仕上がりがきれいなのに、びっくり。
最初、破れてしまったので、Stiffness の値を大きくしたところ、いい感じになりました。

空と合わせた絵です。

このてるてる坊主は、Houdini 17 で作った最初の作例になりました。
Chapter 7 考察
① 17.0 で搭載された Vellum Cloth は、16.5 までの Cloth Solver に比べて、スピードが段違いに速いです。もう、 Cloth Solver に戻る気にはなりません。
しかし、ネットワークの組み方や、パラメータの取り扱いは、大きく異なります。

② 16.5 では、シェルフに Cloth がありましたが、17.0 ではありません。コンストレイントや、スティッチは、自分で、手作業でネットワークを組まなければいけないと思いますが、Cloth Solver のときと同じような組み方で良いものかどうか、これを書いている段階(10月12日)ではわかりません。
Chapter 8 メモ
① Houdini Apprentice をインストールして、約半年。SOP の使い方が、ほんの少しだけわかってきたかな、という程度です。VOP、CHOP、ROP については、さっぱりわかりません。
SOP については、良い本があったので、勉強できましたが、VOP、CHOP、ROP については、いまだに手探り状態です。
チュートリアルビデオなどを購入して視聴すれば良いのでしょうが、先立つものもなく、どうすればよいのかわからない状況です。