山里ぽん太

Maple

16 December 2018

山里ぽん太は紅葉を眺めました。


Chapter 1 紅葉の季節
というわけで、これを書いている11月10日は、よく晴れて美しい日になりました。
あたりを見渡すと、限りなく紅葉で、遠くの山や、近くの山や、近所の神社には、色とりどりの樹がいっぱいです。
というわけで、Houdini で紅葉を作ってみようと思いました。
僕は、桜の紅葉が好きです。輝く深紅の光が好きです。
でも、とりあえず、楓を作ってみようと思いました(笑)。
Chapter 2 葉っぱを作る
というわけで、まずはとにかくなにはともあれ楓の葉を作りましょう。
UV-Quickview で写真をシーンビューに表示して、シェルフツールの Curve で輪郭をなぞります。
なぞった Curve のパラメータから、データをコピーして、テキストエディタにペーストして、整形して、Excel で値を調整する、という、ワイングラスにコーヒーを入れたときの方法で、形を作ります。

Chapter 3 葉っぱを反らせる
作った葉っぱを、少し反らせようと思いました。
ポイントを VEX で動かすだけなので簡単なのですが、問題は、葉っぱを細かいメッシュに分割するところでした。
Devide でも、SubDevide でもうまく切ってくれませんでした。
ここはやはり、手作業で丁寧にメッシュを切らなければいけません。
というわけで、葉っぱを反らせる作業は、パスしました(笑)。
Chapter 4 枝を作る
というわけで、L-System で枝を作りました。
いちおう、楓の写真を見て、こんな感じかな、という感じで作りました(笑)。
これでよいのかどうか、よくわかりません(笑)。

Chapter 5 枝に葉をつける
枝に葉をつける方法はどうすればよいかな、と考えました。
クリスマスツリーでやったみたいに、枝のメッシュの面積から、葉の密度を計算して Density アトリビュートにして、Scatter で、密度に応じたポイントを作って、そのポイントに、葉を Copy to Point しようかと思いました。
しかし、写真を見ると、楓の葉は、枝の先端に1枚ついているように見えました。
というわけで、L-System の「J」コマンドを使ってみることにしました。
Chapter 6 葉の向きはどうなる?
以前に、L-System の勉強をしたときに、「J」コマンドで枝につけた葉や花の向きがでたらめになって、コントロールできなかったので、はたしてうまくゆくかどうか、未知数でしたが、とりあえず試してみました。
というわけで、葉の向きは、枝の向きと同じになりました。

少し回転してみました。

水平方向になるように回転して、色をつけてみました。
まだ、マテリアルの調整をしていなくて、葉がテカっています。

Chapter 7 レンダリングする
というわけでレンダリングしてみました。
まずは、上から見下ろす視線です。
葉の表面で diffuse した光を見ています。

次は、下から見上げる視線です。
葉を transparent した光を見ています。

なお、楓の枝は、水平ではなく、やや上向きにつきます。
この枝は、かなり大きな楓の樹の、下の方についた、かなり成長した枝ですので、重みで水平に近くなっている、というような感じです。
Chapter 8 色味を調整する
Chapter 7 の絵の色を、Photoshop で調整してみました。
調整と言っても、色を少し濃くした、というような程度です。


Chapter 9 考察
① 楓の枝を、上から見た絵と、下から見た絵を作りました。上から見た絵は Diffuse の色を、下から見た絵は Transparent の色を見ていますが、色を変えてあります。そして、それぞれ、別々のマテリアルを当てています。しかし、色にはあまり違いが出ていません。実際の楓は、その違いは歴然としています。反射の光は黄色のスペクトルが強く、透過の光は黄色のスペクトルが弱く見えます。もっとマテリアルを調整しないといけません。なお、桜ではもっと顕著に違いますが、桜は深すぎて、デジタルの世界では、桜の紅葉を表現しきれる気がしません。

② 上から見た絵では、Distant Light と、Environment Light を当てています。下から見た絵では、これらにプラスして、Area Light を当てています。上から見た絵で、Fake Caustics をオンにしてみたところ、当然ですが、影が弱くなりました。そのときの絵は撮ってないのですが、絵の具で絵を描いたような絵になりました。3DCG は、一般に、フォトリアルな絵を作る、あるいは、ディズニーのアニメーション映像のようなファンタジックな絵を作る、というような認識であろうかと思いますが、そうではなく、日本画のような絵も作ることができるのではないか、といった可能性を垣間見たような気がしました。Fake Caustics に代えて、強めの Ambient Light を当てて影を消しても、もしかすると似たような、そして少し違う絵になろうかと思います。

③ Chapter 7 の白っぽい絵も、フォトリアルではないのですが、むしろ、絵画的に使えるのではないか、と思います。今回の楓の絵の勉強では、Houdini の、ちょっと違った絵作りの可能性を感じました。

④ 現実の枝は、一本一本ごとの形状が異なっています。L-System で作る枝も、現実の枝のように、個体毎に異なる形状とすべきかもしれません。しかし、L-System で作る数学的な形状にも美しさがあります。